光合成を多くさせる湿度。
  
  気孔を全開させる空中湿度と、根の柔組織に
  充分な貯水量が必要である。
  気孔の開閉は微妙で、生きた葉を実態顕微鏡で 
  観察すると、無数にある気孔がわずかな光、
  空気の動きに敏感に反応して、瞬時に一部、
  多くの気孔が開閉している。
  当然、ランの根に水が少なくなり根にペクチンが出る
  乾燥状態になると、節水のために気孔は閉じる。
  光合成は減少する。

  カトレアなどでは、根が真っ白の乾燥にも関わらず、
  強い光を当てる人いるが、これでは生育のエネルギーが
  作れない。栄養成長期はカトレアも水は欲しいのである。

 CAM型のランでは、
  夜間に気孔を開くから、夜間の空中湿度を
  高く90以上にすると、素晴らしい生育になる。
  CAM型の植物が自生する場所は、なべて温度較差が
  大きいところで、夜間は飽和水蒸気になるからである。
  夕方の潅水が、この状態ではほとんど消費されない。
  翌日の午後まで根に貯水されている。
  素晴らしい生育になる。
  夕方潅水しない場合は、空中湿度が低いから、
  気孔の一部は閉じてしまう。炭酸ガスの吸収が少ない。
  生育不良である。
 
  夕方潅水しないで扇風機を回したときは、
  更に多くの気孔を閉じるから、より生育不良になる!!

  モンスーン気候、熱帯雨林、
  ほとんどのランの自生地は、ランの栄養成長期には、
  空中湿度が充分あるということ。

  病気が怖くて夕方潅水出来ない?
  もっとも悪い勘違いである!!
  葉を冷やすと同時に空中の水蒸気を多く出来るのが
  夕方の潅水である。
  パフィオの自生地は、そのようなところである。
 
 
SUGOI-neの開発でラン世界は一新する。
  SUGOI-ne驚愕の姿を現わしてきた。
  素晴らしい生育。
  パフィオも例外ではない。
  その理由は宇井清太新発見の「ラン菌」。
  世界で初めて「炭素循環」が可能になった。
  ランが待ち望んでいた「炭素循環」の糖。
  ランはこの糖をエネルギー源にして生きつづけてきた。

 
SUGOI-neは進化の根源を再現した。
 
肥料でパフィオを栽培するという暴挙をしなくてすむ。
 
パフィオ栽培法は根底から変わることになる
Paph, malipoense
   Paph armeiacum
       
   
栽培に当たって宇井清太が考察したこと
の写真は「散光」で栽培したCymbidiumとPaph である。
全部の葉で散光を受け取るために「影」が出来ないように葉組、葉形が出来ている。
この散光条件で素晴らしい生育を行なう。

自生地における光条件は、ランの葉の進化に大きく影響し、
それが葉の形、機能までかかわり、乾期における休眠、
吸水、ナンプ病にまで関係する。

 これまで、パフィオ栽培で「散光」はなかった。
 何時の頃からか、日本のパフィオ栽培から「散光」が消えた。
 昔は、ガラス温室の場合、ほとんど必ず「石灰乳」を塗った。
 北極に近い緯度のイギリスで、ランのガラス室に塗った。

 「散光」にするためである。

光を散光にするだけでも、ランはものすごく元気になる。
更に、葉に溜まった水で焼けることなどなくなる。

 生育の遅い小さなパフィの株が元気に育つには、
 この散光でなければならない。。
 直光、紫外線でいたんだ葉。
 このような葉では、葉に水を怖くてかけられないという事態になる。
 それではCAM型のパフィオの光合成、夜の気孔の活動に支障が出る。
 それではナンプ病の餌食になる弱い葉。
 これを作るのは光条件と、炭素循環削除が深く関係している。


  
 ランの自生地の光条件には大きな巾がある!!

     
暗いところに自生していると思えば、
     同じ種であっても「直光」の強い光のところに自生している。
     プラントハンターの目では、この変化を理解できない。
     非常に間違った記述が、多くのランにみらられる。
     喜んで生きているのか、泣き泣き生きているのかの判断が出来ない。
     この判断のミスが、日本に持ち帰られる。
     そこで、ランの本に、例会で報告される。
     それが・・・いつの間にか「流布」する。
     ・・・・・やがて、おびただしい原種が枯れることになる。

    なぜ、異なった光条件でもランは生きられるのか?
     パフィオの自生地にも、極端に異なる条件下で生きているものが多い。
     どちらが、本当の姿か、条件か理解できない。
     パフィオは100%独立栄養植物ではない。
     もう一つの糖の供給ルートを持っている。
     これは「ラン菌」の「炭素循環」の糖である!!
     パフィオも光合成しなければ生きられない。
     ベストな光は当然ある。
     しかし、現実には、パフィオが何10年も生きている間に、
     周りの森、樹木に大きな光条件の変化がおきる。
     樹の枝が伸びれば日陰になり「弱光」になる。
     反対に巨木が倒れれば、急に強光になる。
     パフィオは移動できない!!
     当然、光合成に大きな違いが出てくる。
     弱光でも、強光でも・・・・ベストな光合成ではない。
     一般の一年草の植物なら、翌年から全く違う植物が生える場所である。
     ランは、簡単には一般の植物が繁茂するようなところを最初から自生地として選んではいない。
     ランは最悪の場合を想定している。
     生育を遅くしても良いのは・・・・・そういう場所を選んでいるからである。
     競争相手のいない場所。
     その次に問題になったのが光条件の変化への対応である。
     若し、光合成が充分出来ない場合は・・・・どうするか。
     「ラン菌」。
     その時は・・・・ラン菌が・・・・糖を分解している!!
     それを利用すればよい。

     そういうシステムをランは構築したのである。
     弱い光で充分な光合成が出来ない場合は・・・・ラン菌の供給する糖で不足をまかなう。
     強い光で充分な光合成が出来ない場合は・・・・ラン菌の供給する糖で不足をまかなう。
     だから、ほとんどのランで、光条件が著しく異なる場所でも自生できる。
     ところが、この原種を山から掘ってきて、ラン菌のいないコンポスト植えてきた。
     間違った光にしたらどうなる?
     鉢の中にはラン菌はいない。
     自生地のように・・・補充する「糖」がない!!
     株が衰弱し・・・・やがて身体を維持、持続困難になり、枯れる。
     だから、ベストではなくても、紫外線カット、散光にすると、
     ランにとっては・・・・宇井清太は優しくて・・・いい男・・・・ということになる。
     そしてSUGOI-neで植えれば・・・・ラン菌がいる。
     宇井清太のラン栽培は・・・・至れり尽せり・・・である。
     これで、ランが喜ばないはずはない!!
     多くの愛好者のラン栽培は・・・・SMの世界みたいなもの。
     マゾかサドか?
     ランをイジメテ・・・・喜んでいる。
     愛の型にも色々あるが・・・ランは・・・そんな・・・・・望んではいない。
     愛好とは極めて身勝手なもおである。
     拉致をも「愛」だと。
 
 なぜパフィオの葉に「離層」がない?
 なぜそのように進化したのか。
 株元にラン菌を繁殖させるためである。
 パフィオはラン菌を培養しているのである。
 己の葉で・・・・・。
  これは宇井清太の仮説、新説であるが・・・・・・
ラン菌と勝組み、ナンプ細菌を負け組みにすれば・・・・・病気の問題はない。
炭素循環による糖でランは生きているのに、ラン栽培現場では、この糖を削除し、
窒素肥料を多量に施すから硝酸態窒素の過剰吸収が行われる。
細胞に過剰な硝酸態窒素が含有すると・・・・ナンプ細菌は・・・・大繁殖する。
パフィオの病気の問題は、コンポストにラン菌による炭素循環がなく、
肥料で育てる栽培が行われているからである。
ランはシタタカである!!
だからランは魅力に満ちている。
花の美しさにだけ目を向けてはならない。
これからは、SUGOI-neのラン菌に最大の注意を払ってください。

以上のことから、ランの特異な進化は、花において傑出したものがあるが、
他の器官における環境への適応進化は、他の植物にも多く見られる。
実際に栽培する上では、ランを特別視するのではなく、
他の植物を参考にしながら、栽培をしてゆく・・・。
ランがランたる最大の特徴はラン菌による「炭素循環」における「糖」の吸収である。
このことが、これまでのパフィオ栽培に欠如していた。
この講座の栽培実践では、SUGOI-neの炭素循環の問題が最も重要である。
次のページでは、
 「葉の検温による潅水」など・・・・新栽培法の基礎を考察してゆきます。



        
                       
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 Paph, malipoenseの葉脈の深い溝は何のためにある?
 コクロペタラム亜属の葉のポケットは何のためにある?
 アナナスの葉と比べれば、水を貯めるためではないのか?
 天から降った雨、霧の水滴は必ず溜まるようにしているのではないか?

 CAM型植物に共通する吸水機構と機能。
 パフィオにも
   葉の細胞に水を蓄える進化。
   葉の付け根に、葉の芯に水を蓄える進化。
  
  地生ランであっても、土壌の水分不足が不安である。
  水調達に別なルートを確保している。

  アナナス科のエアープランツは、夜、気孔を開いて空中から水分を摂る。
  このシステムがPaph, malipoenseにも備えたのかもしれない。
  そうでなければ、このランの薄く硬い葉の組織のみでは

  
自生地の厳しい乾燥に耐えることは出来ない。
 パフィオとCymbidiumは同じモンスーン気候下で
 進化したが、株の大きさがここまで異なる。
 光合成の何処に違いがあるのか。

 進化の別れ道は何処にあったのか。
 
 全く同じ条件で栽培したCymbidiumとパフィオ。

 
SUGOI-neでCymbidium栽培と全く同じ栽培でパフィオは作れる

 
パフィオは一年の生長量が少ない。
 光合成も呼吸作用も少なくして生き延びる進化の道を選んだ。
 つつましく生きることを選んだ。
 巨木になる木の進化とは異なる道を選んだ。
 ランを栽培する上で、この分岐した進化の原点、
 更に進んで葉までなくした「無葉ラン」の存在まで
 考える必要がある。


 
ツユクサの仲間
 左  Geogenanthus poeppigii
 右  Tradescatiae spshacea  
ヤシの幹に着生もする

 
ツユクサの中間には多湿から乾燥地帯まで多様な葉の進化が見られる。
 パフィオの葉の進化

 
Paph kolopakingii
ロ のルートに進出したパフィオには大型種が多く、
大きい葉を持つものが多い。
これは多くの養分、水分を吸収出来る条件と、
多くの光合成が出来る条件が自生地にあることを
証明している。

 

パフィオもCymbidiumもバックと新芽の葉が重ならないように
展葉する。葉間の隙間。散光なら全部の葉が光合成できる。

上の写真はモンスーン気候の下で進化した  
     Cymbidium、バンダ、パフィオ、ファレの栄養生長期の葉の形状である。
     非常に似ている。
     ということは、同じ光条件で栽培出来るということである。


 Cymbidiumは発芽してから24ヶ月は単茎種と同じように
  上に葉の枚数を増やしつづける。この期間は休眠しない。
  この生長期間は、熱帯植物のように、コチョウランのように
  常に朝の最低温度18℃、多湿で最高の生育になる。
  不思議なことに休眠はない。
  2年後の秋。
  短日条件下で最低温度15℃近くになると止葉を形成し、
  バルブを形成、肥大を始める。
  この画期的な変化。
  なぜ一年目の秋にバルブを形成しないのか?
  ここのところが、宇井清太は、今も解からない!!
  なぜ2年目なのか。

  この約2年の生長期間がCymbidium栽培の優劣が分かれる。
  この期間、ベストな条件に出来ない人は、プロとして生きてゆけない。
  経営できない。

  このCymbidiumのベストな環境条件は、
  即、パフィオの条件である。
  コチョウランの条件、バンダの条件である。
  つまり、モンスーン気候の雨期の条件である。

  このベストな光条件は右の写真のCymbidium育苗の状態である。
  宇井清太は約1000万本のメリクロン苗、実生苗を育成してきた。
  見事に育つ環境条件が写真である。
  これ以外の、いかなることを行なっても、この生育にはならない。
  この条件なら、小さな苗も見事に育つ。
  自生地再現とは、
  蘭の種子が発芽して、大きく生育できる環境を再現することである。


 
パフィオの葉の変化と他の植物の比較。

   パフィオの葉の変化は多様である。
   この変化も伊達や酔狂で変化しているわけではない。
   光、湿度、自生地における養分、温度・・・などに適応して、
   現在の葉になったのである。
   だから、葉を見れば、自生地の環境はおおよそ見当はつく。
   なぜなら、ランは植物では一番の新参者。
   自生地には、他の植物と葉に類似性がある。
   例えば、椿、茶、シャクナゲの葉に類似性があるようにである。
   さらに植物の進化の過程で、植物も多くのことを学び、体験しながら、
   次の進化に、その体験を取り入れてきたと考えられる。
   例えば・・・・紫外線に耐える葉は・・・・こういうのが良かった・・・・・というように。

   例えばCAM植物のアナナスの葉とパフィオの一群の類似点を見てみよう
   ブラジルと中国。
   異なる植物。
   だが・・・・葉の質には多くの類似性がある。
    それには環境の類似性が反映していると考えられる。

  
 Paph, malipoense
   Paph armeiacum
  この葉を触って、アナナスの葉をさわると、
  その感触に類似性を感じ取れる。
  指が切れそうな・・・硬い葉。
  ここまで進化するということは、よほどのことがあるに違いない!!

  Paph, malipoenseの葉脈の深い溝は何のためにある?
  アナナスの葉と同じように水を貯めるためではないのか?
  天から降った雨、霧の水滴は必ず溜まるようにしているのではないか?
  CAM型植物の自生地は雨期と乾期の差がきびしい。
  バルブの持たないアナナス、パフィオ・・・・。

  Paph, malipoense
   Paph armeiacum
  この二つの原種の葉の裏は紫色。
  なぜだ?
  葉肉は薄くほとんど水を貯蔵できない。
  どうやってきびしい乾期を乗り切る?

  葉の裏が紫なCAM型植物にはツユクサの仲間「紫オモト」(Tradescatiae spshacea)
  がある(紫金蘭) 。
  葉の模様はツユクサの仲間Geogenanthus poeppigiiに似る。
   ランにはシュスラン、レパンティス、ネフェラフィルムにも同じような模様がある。
  Paph, malipoense、 Paph armeiacumと紫オモトの葉は極似している。
  葉組みもそっくり・・・・
  二つのパフィオの原種は、この露草をモデルに真似て進化したのではないか?
  そう思えるほどである。
  ランの花はランのランたるものであるが、他の器官は、
  ラン特有なものでなく、光合成を行なうための基本は、先達の植物
  で既に完成されていたものを真似たものであろう。
  
  
 
パフィオの葉の貯水機能とCymbidiumとの比較
  乾期の適応進化。
  葉に水を蓄えるシステムは、多肉植物に普通に見られる機能である。
  当然、バルブの持たないランが、そのDNAを真似ないわけはない。
  パフィオにはバルブがない。
  パフィオの自生はモンスーン気候である。
  雨期と乾期がある。
  バルブの持たないパフィオは、乾期をどのように乗り越えるのか?
  パフィオを栽培するには、これを知ればよいことになる。
  根にはペクチンを備えた。
  葉は何を備えたか?
  葉を水の貯蔵庫にすることは自然である。

  Cymbidiumの葉にもバルブのみでなく、葉をも変化させて
  きびしい乾期を乗り越えるものもある。
  その変化はパフィオにも見ることが出来る。

  1  貯水機能をほとんど持たないもの。
  2  ほどほどの貯水機能を持つもの。
  3  多量の水を貯蔵する機能を持つもの。

 この三つの方向への進化は、Cymbidium、パフィオのヒマラヤからの
 他地方への進出ルートによって行なわれたと考えられる。
 それは、乾期における湿度、光、温度などの条件に大きな違いがあるからである。
 この3ルートへ進出はCymbidiumとパフィオはほぼ同じである。
  イ ヒマラヤ地方に留まったもの。
  ロ ヒマラヤからボルネオを通ってオーストラリアへのルート。
     一部ベトナムへのルート
  ハ ヒマラヤから中国へのルート

  このエリアはモンスーン気候であるが、緯度と高度に大きな幅があり、
  モンスーン気候の雨期、乾期が存在するが、ランに対する影響には
  大きな違いがある。
   例えば、キナバル山の高温下の乾期と中国雲南の低温下の乾期、
   ベトナムの中温下の乾期では、乾燥に対する葉の備え方が異なる。
   それぞれの条件に適応した葉を持たなければ生きつづける
   ことは出来ないからである
   3ルートに進出したCymbidiumもパフィオも同じ環境条件に遭遇した。
   したがって、それへの対応の進化に共通するものがある。
   しかし、Cymbidiumとパフィオの進化に決定的な違いは、
   Cymbidiumは水、養分の貯蔵庫のバルブを具備した。
   パフィオはバルブを具備しなかったという点である。
   その理由は何か。
   モンスーン気候下でバルブを具備しなかったランは、
   バンダ、ファレなどにも見ることが出来るが、多くのランはバルブを具備した。
   なぜパフィオは・・・・この進化の方向を捨てたのか。
   別な見方をすれば、具備する必要がなかったのか。
  
 このような疑問が湧く。
  
   モンスーンの雨期の湿度はほぼ同じ。
   乾期の湿度に大きな違いがある。
   Cymbidiumの自生地とパフィオの自生地の微妙な地形、場所の違い。
   種子が熟し、飛散する場所は広範囲である。
   雨期の雨による湿度に大きな違いはないから、Cymbidiumもパフィオも
   ラン菌と共生して発芽し、プロトコームは発生し、生きつづける。
   問題は・・・・その後の乾期にあるのではないか。
   つまり、このプロトコーム時代までは、全てのランは同じ進化である。
   ラン菌が行なう炭素連鎖で生育する。

  ラン菌が生息、繁殖、生育できる湿度条件である。
  この湿度条件こそ、ラン栽培で最も基本の湿度である。
  腐生ラン。
  このランは、このラン菌の生息できる湿度で生き続ける。
  Cymbidiumには腐生ランが一種ある。
  パフィオにはない。
  この理由で、パフィオにはランの進化で一つ欠落した部分が出てくる。
  ランの全体像が見えない場合が出てくる。炭素連鎖である。  
  Cymbidium、パフィオの進化、そして栽培を考える場合、このラン菌の生息できる湿度を
  根本に、基準にする。ここがランの原点だからである。

 この湿度は炭素循環に深く関わる基本の条件だからである。

  ランが最も弱いステージはプロトコームから芽生え、小さな葉が発生した時である。
  このことをランは良く知っている。
  この小さな葉が生きて生長できる条件が整った時芽生える。
  これが自然界の絶対の法則である。
  このために、ランによっては種子に発芽抑制機能まで具備した。
  芽生えた直後に乾期、寒冷期では・・・小さな株は生きることは出来ない。
  動物も、昆虫も植物も・・地球の気候のリズムに合わせなければ生き続けることは出来ない。
  パフィオ、Cymbidiumの小さな芽が・・・雨期にある程度まで成長する。

  この後がCymbidium、パフィオにとって厳しい季節が来る。
    イのパフィオ、Cymbidiumには低温と乾期が来る。
    ロのルートに進出したパフィオ、Cymbidiumには温度が高い条件で乾期が来る。
    ハのルートに進出したものには、更に低温と乾期が来る。
  小さな株にとって、両極ともいえる異なった環境。
  それを生き抜かなければならない。
  前記したようにCymbidiumにはこの時代はパルブは具備されてはいない。
  この姿は右の写真のように同じである。
  この乾期の洗礼は・・・生と死を分けるのどの厳しいもの。
  この時代に生き残れるのは、湿度の問題である。
  根のペクチンの限界を越えた乾燥の場所では死滅。
  Cymbidiumの根のペクチンは、パフィオより濃いから、
  パフィオより乾燥している場所でも生きられる。
  パフィオが生き残れる場所は、Cymbidiumより少し湿度がある場所である。
  このようにして発芽一年目の乾期を生き抜く。
  ラン菌が養分、水分を供給するから・・・どうに株凌げる。
  二年目の雨期。
  Cymbidiumは葉の枚数を急激に増大し身体が大きくなる。
  もう、この身体では、2年目の乾期を根の貯水、
  葉からの水分吸収のみでは越せない。
  バルブを準備する。
  CymbidiumがCymbidiumとしての真の姿を、性質を現わすのは、
  このバルブ形成以後である。
  パフィオとCymbidiumが異なった姿を現わすのは、この時期からである。
  パフィオはバルブを持たない。
  それでも、乾期を凌ぐ方法を見つけた。

  自生地において前記したようにランは新参者である。
  この時代のランにとって、自生地は養分吸収、水分吸収、光合成においても「負け組み」である。
  それでも生き続けることが出来るのは、前記のラン菌による養水分の供給ルートが、
  ラン菌によって維持されているからと考えられる。
  ロのルートから分かれてベトナム方面に進出したパフィオに残されていた場所は
  岩の上などの不毛の地である
  岩の上にもわずかな落ち葉などの堆積物はある。
  材木腐朽菌も生息している。
  当然豊富な養分、水分などない。
  リービッヒの最少律で、生長は制限される。
  葉を大きくすることは出来ない。
  小さくとも水分を貯蔵する葉の構造にしなければならない。

  他のランのようにバルブを具備すれば乾期を凌ぐのは容易なのに、
  なぜ、パフィオは具備しなかったのか?
  進化の途上にあるのか?
 
 ハのルートに進出したパフィオ。
  アナナスの葉とほとんど同じように進化した。
  リードの発生も・・・・。
  匍匐茎。
  なぜ似ている進化の方向があるのか。
  アナナスもSUGOI-neのラン菌で素晴らしい生育をする。
  ラン菌、材木腐朽菌も共通する。
  パフィオのような多湿、乾燥に耐える進化は、他にもムラサキオモトの
  「ツユクサ科」の植物に多く見られる。
  ツユクサの多様性はパフィオを凌ぐ変化である。
  

  宇井清太のCymbidium育種場の育苗。
   紫外線カット、散光条件でSUGOI-neで素晴らしい生育。


  サイドからの紫外線、直光を防止するため、
  サイドにも不織布を張り巡らす。
  通気は理想的に大気生動の対流で行なう。
  この通気でパフィオは素晴らしい生育をする。
  扇風機での「風」は、本当にパフィオは望んでいるのか?

 ダイオネット40%で遮光、光の量を制限。
 不織布で散光、 光の散乱、放散。
 紫外線カット  光の質を変える。
 霧、散光の影
   直光の影
不織布を張った状態。これで霧の光の散光にする。
SUGOI-ne1号単用でCymbidiumが続々発芽してきた。
ラン菌による炭素循環による糖の供給で発芽。
紫外線カット、散光条件が必要であることがわかった。
紫外線カット条件でプロトコームになった。

 ランは「菌根植物」。
 Cymbidiumの菌根の間で発芽した状態。
 パフィオの自生地も似たようなもの。
 この状態を再現すれば、SUGOI-neで
 無造作に作れることになる。

 パフィオの根も菌根
   基本的には同じDNA。
    乾燥するとペクチンが発現する。

  SUGOI-ne栽培の
 Cymbidiumの根の「菌根」とペクチン
  
  写真は下記の栽培で2年栽培した鉢


 
SUGOI-neとペクチン潅水法。
 紫外線カットフィルム。
 不織布による散光。
 葉の検温による夕方潅水。
 SUGOI-ne源液、尿素、生油粕。
 最低温度から最高温度までの緩やかな葉温の上昇換気。
 
 1 SUGOI-neとペクチン潅水法。
 2 紫外線カットフィルム。
 3 不織布による散光。
 4 葉の検温による夕方潅水。
 5 SUGOI-ne源液、尿素、生油粕。
 6 最低温度から最高温度までの緩やかな葉温の上昇換気。


 宇井清太が昨年公開したパフィオ栽培法。
 これは一口に言えば宇井清太のCymbidium栽培法である。
 上の写真は、この栽培法で約2年半SUGOI-neで栽培したものである。
 モノスゴイ勢いで生育。
 5年前のバックの葉が生きている。そこから新芽が出て4本立ち。
 天を仰ぐ葉。
 スコールを一適も逃さないロートになる。
 ハダニはゼロ。
 消毒は一回も行なわない。
 これでこの生育。


 現在、全国のアチラ、コチラでSUGOI-ne栽培で驚異的な生育になっている。
 なぜ、このような生育をするのか?
 SUGOI-neは自生地再現。
 ラン菌が生きている!!
 決め手は・・・・「炭素循環」である。

 このことを、世界のラン界はコンポストから削除してきた。
 ランには「腐生ラン」があると知りながら、この「炭素循環」をコンポストに再現することはなかった。

 宇井清太が始めて再現した。
 紫外線カットの光はハダニの発生をゼロにした。
 ラン菌の生息は「ナンプ病」の細菌を追放した。
 ラン菌との共生は光合成を活発にし、耐寒性、耐暑性を高め、

 ほとんどのパフィオで「休眠」が見られなくなった。
    パフィオにとって「休眠」は絶対なのか?
    「生育停滞」「生育ロス」。
    小さな苗が短年月で大きくなりたいのでないか?
    モンスーン気候の雨期、乾期が・・・否応なく「休眠状態」にしているのではないか?

 宇井清太はパフィオは門外漢である。
 素人である。
 でも、パフィオ栽培の本を見ていると、どこか違うのでは・・・という疑問がわく。
 SUGOI-neで前記のようにすれば「無造作」でないのか?

 SUGOI-neでパフィオを作って良く出来なかったという人がいる。
 よく聞いてみると、

 モンスーン気候を理解していない。
 「炭素循環」を知らない。
 ラン菌を知らない。
 根のペクチンを知らない。
 稲妻を知らない。
 葉の温度を知らない。
 紫外線を知らない。
 散光を知らない。
 ダニの繁殖条件を知らない。
 ナンプ病が出る原因を知らない。
  
 それなのに、病気と消毒の勉強はしている。
 活性剤の勉強はしている。
 扇風機は勉強している。
 ミックスの勉強はしている。
 植物分類学は勉強している。
 肥料、微量要素、ミネラル、アミノ酸は勉強している。

 以上のようなことであるが、お解りのように、植物栽培の基本を勉強しないで、
 「知識」を勉強しているみたい。
 パフィオといっても、ラン科植物の一種類である。
 ランの進化から見れば、共通のDNAはある。
 花に熱狂するのもいいが、ラン全体に共通するDNAから栽培を考えれば、
 SUGOI-neで失敗することはない。



宇井清太のパフィオ栽培法の説明  
                    
 
1  SUGOI-neとペクチン潅水法

      SUGOI-neは世界で初めて「ラン菌入り」のコンポストである。
      自生地を再現した。
      この潅水のやり方は「ペクチン潅水法」で行なえば、無造作に出来る。

      パフィオの栽培者の中に、SUGOI-neで失敗した人がいたようである。
      一口に言えば「ペクチン」を知らなかったからである。
      パフィオの皆さんは、他のラン栽培者よりも花の観察には極めて鋭い感性を持っている。
      宇井清太は不思議でならない。
      これほどの観察眼がありながら、根のことを観察しないというのはどういうこと?
      パフィオの「乾燥」というのは、これまでどこで見分けてきたのか?
      植物栽培は、ランに限らず、植物が水が欲しいとき潅水すれば良いこと!!
      どんなコンポストで植えようが、乾燥すれば、植物はシグナルを出す。
      その時与えれば良いこと。
 
      パフィオの根は地生ラン特有のもの。
      カランテの根とほとんど同じ。
        脱水を防ぐペクチンを具備 (着生ラン、地生ランに共通)
        硬くて細い。(柔組織が発達していない、水の貯水量が少ない)
        菌根。(菌根植物の根に共通)
        根の数が少ない。(菌根植物の根に共通)
        完成した根毛がない。(菌根植物の根に共通)

       根を観察すれば、パフィオが特別なランでないことが解かる。

        ペクチン。
          パフィオの柔組織の発達が充分でないというのは、着生ランのように水の争奪戦が激しい
          場所ないところに自生しているということ。
          空中と土壌の違いで、柔組織の大小に進化だけのこと。
          パフィオのペクチンは着生ランより希薄である。
          その分だけ乾燥に耐える力は弱い。
          だから、パフィオの潅水はSUGOI-neでは、根にペクチンが出たら直ぐに潅水しなければならない。
          しかし、パフィオにもCymbidiumにも「着生ラン」がある。
          「岩生」もある。
          そして、同じモンスーン気候。
          同じ環境条件でいきつづけてきたランである。
          激しい雨にも、激しい乾燥にも耐えなければならない。
          そして、同属の中には暑さにも、寒さににも耐えなければならない。
          種は異なっていても、進化する以前の同じDNAは、今も持ちつづけている。
          パフィオとCymbidiumはほとんど同じDNAを持っているようである。
          ランは他の草花のように簡単に葉は萎びない!!
          そのため、何時潅水したらいいか解からない。
          だから失敗する。
          根のペクチンを毎日観察すれば簡単。
          でも、植物作って、鉢に植えて、水が欲しがっている姿が見えないようでは、
          植物栽培以前の問題である。
          そんな鈍感では・・・ランどころか大根一本つくれない。
          植物を鉢に植えるということは、管理者の能力が・・・ストレートに出るということ。
       硬くて細い
         着生ランの根のように水を多く蓄える必要なない。
         根の断面を顕微鏡で見ると、イネの根とほとんど同じ。
         フラスコ培養のCymbidiumの根とほとんど変わりない。
         柔組織が発達していない。
       菌根
         ラン科植物の根はほとんど菌根である。自生地では!!
         山掘りの根。
         当然菌根。
         この根と、水ゴケ、バーク、軽石の根は「菌根」ではないから、根本から異なる。
         ここに、パフィオに限らず、現在のラン栽培の問題のほとんどがある!!
         ラン菌と共生出来ない根。
         例えば、人間の腸にビフィズス菌などの微生物が生息していない場合、
         ほとんど健康を維持できない。
         ランはエネルギーを得るに二つのルートを使う。
         葉の光合成による澱粉の合成。
         ラン菌が分解する炭素循環による糖。        
         ラン菌が生息しない場合、後者の炭素循環がないから、
         光合成の独立栄養の一つのルートだけになる。
         株が一度弱ると、なかなか回復しないのはそのためである。
         SUGOI-neで栽培すると、直ぐに元気になるのは、
         二つのルートでエネルギーが供給されるからである。

         パフィオ栽培は、以前は生の新鮮な水ゴケでなら、無肥料でもよく出来たといわれる。
         パフィオの実生は親株に種を蒔いてもよく芽生えた。
         池田先生の時代の種まきは、この親鉢播種法と無菌培養が並行して行なわれた。
         現在でも、水ゴケ栽培で時に芽生えるものもあるという。
         パフィオは日本に普遍的に生息する菌と共生するのかもしれない。
         こういうこともあって、パフィオはバルブのないランにも関わらず、古典的な品種が残ってきた。
         ただ、現在のコンポストでは、これ以上の生育は望めない。
         この壁を破るにはSUGOI-neのみである。       

      根の本数が少なく、太い。
        これが、どんなランの山掘り株の根の姿である。
        菌根の姿。
        ラン菌のいないコンポストでの根は細く、本数が多い。
        ランの自生地おける本性は、最低限の根を伸ばし、後はラン菌に丸投げ・・・である。
        根を伸ばすには多大なエネルギーが必要。
        それを節約している。
        非常に狡猾な本性を持っている。
        共生なのか「ヒモ」なのか?
        ラン菌のいないコンポストでは「ヒモ」として生きられないから、全部自分でしなければならない。
        元気な時は・・・それでも良いが、元気がなくなると・・・・頼れるパートナーがいない。
        即、枯れる。ナンプ病におかされる。

     根毛がない
       ランは進化の過程で「柔組織」と「ペクチン」を具備し、ラン菌と共生する道を選んだ。
       このことで一般の植物のように「根毛」の機能は必要なくなった。
       この進化の先祖がえりのように・・・・プロトコーム、根冠・・・に一時的に根毛状のものが
       発生するが、根の充実とともに消滅する。
       赤松、ブルーベリーなどにも根毛はない。菌根植物だから・・・・。
       ランが水ゴケ、軽石、バーク・・・などで栽培出来るのは、根毛がなくても、
       根の柔組織に養分、水分を蓄えることが出来るからである。
       これまでのコンポストは・・・単なる「詰め物」「パッキング」である。
       ラン菌が生息していないコンポストと言うのは、炭素循環がないから、自生地とは大きく乖離している。
      
   
2 紫外線カットフィルム。

       この紫外線カットするところが宇井清太のラン栽培である。
       ラン栽培で、ほとんど紫外線が無視されてきたのは、不思議でならない。
       「遮光」と「紫外線カット」は同じことではない。
       日本のラン栽培は、この光についての解釈が、間違っているようである。
       宇井清太の栽培法を近頃実践している人多いが、非常に調子いいとのこと。

       SUGOI-neにCymbidiumの種子を蒔いて発芽する条件は、
       紫外線が少ない光である。
      パフィオの自生地とCymbidiumの自生地。
      種子が発芽する条件はほとんど同じ。

      ボルネオ、キナバル山。
       パフィオのサンデリアナムなど大型種の
       自生地。
       この場所はCymbidiumの原種約50種に中、
       約1/3を占める第3グループのCymbidiumの自生地
       である。ほとんど海抜も同じ。
       
       そこに生息する「ラン菌」。
       パフィオ、Cymbidium、その他自生する膨大なランの原種。
       それらに、個々の固有の「ラン菌」が共生する
       わけではないと考えられる。
       1000種以上のランが自生するといわれる場所。
       共通する「ラン菌」が存在するはずである。

      そのラン菌が繁殖し、ランが生きられる光。
      熱帯の4000mのキナバル山。
      日本の夏は暑い。
      宇井清太のCymbidium20万鉢。
      一年中ハウスの中。
      山形の村山盆地の夏は猛烈に暑い。
      ほとんど風がない。
      でも元気。
      それには誰も知らない秘訣がある。
      その一つが「紫外線カット」である。
      「ハダニ」が全然発生しない。
      葉の細胞が痛まない。
      したがってナンプ病が発生しない。
      自生地再現である。

      パフィオを上手に作りたければ・・・・
      宇井清太のCymbidium栽培法を勉強すること!!
      この意味は、前記のパフィオとCymbidiumの自生地が、
      同じ場所だからである。
      パフィオ愛好会の皆さんが、本当にパフィオを愛するなら、
      同じ場所に自生し、同じように進化したCymbidiumから
      学べばよい。
      
      SUGOI-neでCymbidiumは素晴らしい生育をする。
      だから、パフィオも素晴らしい生育をする。
      そういうことである。

     
 
3 不織布による散光。
      宇井清太の秘密の技術・・・不織布による「散光」。
      これこそ、Cymbidium、パフィオの自生地の「光」。
      光の質・・・。
      Cymbidium育苗のハウスは「散光」にしている。
      この自生地の光は「遮光」ではない。
      パフィオの葉、Cymbidiumの葉は、この散光を受けるために進化した形をしている!!
      「散光」。
      影が出来ない光。

    散光にしている理由
      ランは自生地では新参者。
      光の争奪戦では喬木、背の高い草木に適わない!!
      しかし、生きるためには、どうにかして光を拾わなければならない!!
      ランを分類する時、葉の形状を分類すれば、自生地の光を分類できる。
      ランを栽培する上で、この光の分類が最も重要になる。
      これを軽視すると、何年作ってもランは下手クソ・・・である。
      ランの本の記述で最も大きい誤りは、この「光」である。
      ランの葉の形状は伊達や、酔狂で・・・そのよな形に進化しているのではない。
      そのような形でなければならない絶対の理由がある。
      そこには自然お法則があるのである。

      Cymbidiumとパフィオの葉。
       写真を並べてみると非常に似ていることに気づく。
       葉と葉の間に隙間があり、バックの葉と新芽の葉が
       重ならないようになっている。
       この葉組みこそ進化で得た光に対する適応性である。
       「霧の中の光」。
       「散光」の光を全ての葉が受けるには、このような葉組みでなければならない。
       霧の中の光は、粒子に光が当たって散らばるから「影」が出来ない。
       直光なら、上の葉の影が下の葉に写り・・・黒い影を落とす。
      この黒い影の部分では光合成が出来ない。
      そんなことでは、新参者のランは、生き延びることは出来ない。
      森、林床、さらに深い霧が立ち込める場所で自生するには、散光の光を有効に利用しなければならない。
      だから「散光」である。
      パフィオの葉も、Cymbidiumのように葉は立っていなければ健全ではない。
      一枚目の葉と3枚目、3枚目と5枚目の葉の間に、適度な空間なければならない。
      
      この空間は伊達にあるのではない。
      散光。
      横から入る光!!
      この光を利用するために隙間を作った!!
        バンダを、デンドロを、セロジネを見る。
        同じ空間がある!!
        だから、こういうランも散光にすると、ものすごく素直に伸びる。

      上の写真のツヤ イケダは入手した時、葉はたれ、葉と葉の間に空間がなかった。

      それが、紫外線カット、散光、SUGOI-ne2号ゴールド植え、SUGOI-ne源液栽培したところ、
      4日目で写真のような理想的な葉組みの形になった!!
      パフィオは生育緩慢である。
      だが、宇井清太のCymbidium栽培の条件を行なうと、パフィオはご覧の通り素早く変身する。
      ということは、逆に悪い環境にした場合も、急激に株が弱ることを意味している。
      気づいた時は手遅れになる。
      だから、ラン作りは難しい。
      感性が・・・・敏感で、ランの苦しみは自分の苦しみとする人でないと大成しない。
      
      光が欲しい!!
        右の二枚の写真を見れば、ランの違いがあっても、光を受け取る姿は同じである。
        このような葉に進化したのは林床で喬木がこぼし落とした光を、
        霧が散乱したした光を、出来るだけ多く受け取るためのものである。

       このような葉を見ると、光を「好む」を解釈してしまう。
       実際にCymbidiumの栽培の本には、Cymbidiumは光を好むから・・・と記してある。
       全くの間違いである。
       そんな強い光ではプロトコームが生きられない!!
       パフィオの小さな葉生きられない!!
       
       Cymbidiumの栽培に関しては、本当に大きな間違いが横行している。
       それが、どれほど普及の妨げになっているかしれない。
       間違った常識。
       これを直すのは簡単ではない。
       まして、その道の権威者?・・・・が書いた本であれば・・・・尚更である。
       テレビで・・・そう言っていたよ!!
       そういうことである。
       初心者が本を読めば読むほどランは作れなくなる。
       一度頭に入った「知識」は・・・・知っている・・・・と脳が錯覚するからである。
       直射光線があたった時の葉の温度。
       散光の時の葉の温度。
       
       パフィオの人は、自生地によく出かける。
       自生地を見てきた・・・・と錯覚する。
       オランウータンの研究家は何年も共に現地で生活する。
       だが、ランの研究家で、現地で毎日葉の温度計った人いない。
       プロトコームを観察した人いない。
       

    
パフィオとCymbidiumはほとんど同じ生育パターンをする。
       
  新たな進展  SUGOI-neによる
     宇井清太 のパフィオ栽培法
6月24日 写真撮影。
  植えてから一週間目にこの元気!!
   葉が漏斗になってきた!!


 葉一枚に褐色斑点病が見られる。
 パフィオの場合、前栽培者の
 ところで発症した病気というのは
 蔓延を防ぐのに苦労する。
 2,3ヶ
月前に適確でない管理をしているから
 対策の立てようがないことになる。
 手遅れの場合が出てくる。
 この株は助かるのか?
 6月17日に植えて毎日潅水。
 その他にSUGOI-ne源液1000倍を毎日葉の芯から注入。

 この写真は植えてから4日目。
 葉がピンと立ってきた!!

 

 宇井清太のパフィオ栽培。
  Cymbidiumとパフィオの自生地はオーバーラップする。
  同じモンスーン気候の下でCymbidiumもパフィオも進化してきた。
  宇井清太はCymbidiumのメリクロン苗を約1000万本作ってきた。
  この育苗条件をパフィオに行なう。
   1 ハダニを発生させないために紫外線カットフィルムを張る。
   2 40%のダイネットを張る。
   3 散光にするために不織不を張る。
   4 無消毒。
   5 SUGOI-ne2号ゴールドで植える。
   6 日中葉の温度を調べ、高い日、時期は必ず夕方潅水する。
   7 葉に風を当てない。周囲に不織布を張り、気韻生動の対流のみにする。
   8 尿素の液肥と生油粕を与える。
   9 栄養生長期は、夕方、周囲の不織布に潅水、葉の芯、葉柄に水を貯めるような潅水を行なう。

  10 SUGOI-ne栽培とペクチン潅水。

 6月17日 入手した日の Paph Tsuya  Ikeda ' Oiso'

  
石垣氏が1年半前にSUGOI-ne2号で植えたもの。
    葉が垂れている。

   下の写真の小さな株も入手。
   同じ栽培法で栽培してみる。
 Paph Tsuya  Ikeda ' Oiso'
  (Paph Golden Fleece X  Paph Phips)
     RHS 登録 1958年   登録者 Ikeda N
 
著作権所有者  宇井清太 
 使用を禁じます。
HOME    一年後の株状態
       
    宇井清太 Paph Tsuya  Ikeda ' Oiso'  を作る
    
 
 
新企画 ドキュメント  SUGOI-ne栽培講座
            

konnposuto 1037































    はじめに
      池田成功先生。
       宇井清太の心の師である。
       Cymbidiumの宇井清太がそのように思うのに、パフィオの人達は奇異に感じるかもしれない。
       日本に Ikeda N あり。
       世界に池田成功の名を不滅にしたのはCymbidium’Oiso' である。
       池田成功先生はCymbidiumの人である。パフィオは余技である。
       心の中では、宇井清太はCymbidium育種家池田成功の後継者と密かに想い続けてきた。
       先生の意思を継いで小型、中型Cymbidiumを数10種RHSに登録してきた・・・・。
       このたび、先生のパフィオの不朽の名品を、SUGOI-neで栽培するのは、これも一つの縁かもしれない。
       そういうことで、Cymbidiumの宇井清太がSUGOI-neでパフィオを作るのに、いささかも違和感はない。
       SUGOI-neは、洋蘭も東洋ランも野生ランの全てのランを、誰でも無造作に素晴らしい生育にするからである。
       特にパフィオは素晴らしい。

       宇井清太は昭和40年代、RHS、AOS、RHS、NSW、CSA・・・などの会員になったが、
       さすが、アメリカのラン作りは物事を知っていると想った。 
       アメリカのCSA。
・・・・・シンビジューム ソサエティー アメリカ。
       このメンバーにはCymbidiumの世界的な育種家、蘭園が名前を連ねていたが、
       この会はシンビジュームとパフィオの会。
       パフィオは産業にならないランであっても、同じアジアのモンスーン気候に自生する。
       同じ環境、同じ温室で栽培出来るというので、この二つを研究する会を作った。
       アメリカには・・・そういう研究姿勢があるのである。
       その意味で、宇井清太が全日本、シンビジューム ブリーダース クラブを作ったとき、
       CSAと提携を考えたが、ニューオーキッドの海老名氏がご来宅になり協議して、 
       CSA日本支部はニューオーキッドで企画することになった。まさにパフィオの黎明期のことである。
    
       池田成功先生は、まさに、ランを知っていた。
       Cymbidiumとパフィオ。
       東洋のランである。モンスーン気候のランである。
       パフィオを研究するにはCymbidiumを見ることである。
       そういうことで、宇井清太はCymbidiumを45年作りながら、世界のパフィオ界のことも見てきた。
       日本はどうか?
       パフィオの例会で、Cymbidiumのことなど話題になることはなかろう。
       SUGOI-neの開発目的の一つに、この垣根の解消がある。

       下のPaph Tsuya  Ikeda ' Oiso’写真は2007年、6月17日 山形蘭友会で入手した
鉢である。
      この個体は山形蘭友会の設立メンバーである石垣氏が愛蔵していたもので、過日お亡くなりになられ、
      遺言で蘭株は山形蘭友会のメンバーの皆さんで愛培して・・・ということで、宇井清太がお引き受けしたものである。
      山形蘭友会は昭和41年頃設立したものであるが、これで設立メンバーは会長の大津先生と宇井清太だけになってしまった。
      メンバーのほとんどは故人になられ、蘭の花の中に没してしまわれたが、このPaph Tsuya  Ikeda ' Oiso’は、設立当時から
      愛倍されておられたもので、この個体は、何度か蘭展の会場にも展示され、山形蘭友会の歴史を見守ってきた鉢でもある。
        
Paph Tsuya  Ikeda ' Oiso’は郷里を山形にする池田成功先生が1958年にRHSに登録されたものである。
     宇井清太がCymbidiumを作り始めたのが1962。その頃、池田先生は「百姓が蘭を作り始めたから・・・・止める」・・・という
     気持ちになり、第一線から退かれた時であったが、その頃の「大場農園」のカタログにはPaph Tsuya  Ikeda ' Oiso’
     ’Koiso' 'Yumedono'などが掲載販売されている。
     その当時のカタログとして宇井清太が保存しているのは他に、「中外植物」、「小川シンビジューム」さんのものなどあるが、
     「小川シンビジューム」さんの「シンビジューム談義」は、アメリカの最先端のシンビジュームの話題が掲載されており、
     その最新の名花、サンフランシスコ、 リリアン スチュワート等ワクワクしながら読んだものである。
     宇井清太は、この第一号から保存しているが、先年、名古屋のトヨアケ市場の都築氏がご来園になったとき、
     この「シンビジューム談義」の保存の話題になった・・・・。第一号から保存しているところは・・・・ないとのことだった。
     ランを語れる人は年々少なくなってゆく。
     このアメリカの最先端のドス、ピュブロス社、スチュワート社が最大の敬意を払ったのが池田成功氏である。
     世界で初めて東洋ランと洋蘭のCymbidiumを交配し「オオイソ」を作出したからである。ドス、ピュブロス社、スチュワート社の
     カタログには小型、中型Cymbidiumは「新オオイソ系」と表記し、先生の名誉を称え、
     先生の夢をアメリカの地で継承し、小型、中型の名花を続出させた。その多くは昭和40年代の前半に宇井清太が輸入した。
     その多くは国際園芸を通して輸入したが、現在でも50種以上保存している。
     以後、宇井清太は約1000万本のメリクロン苗を生産し、全国に販売したが、その株は今はほとんど見ることはない。空しい限りである・・・・。
     大量生産、大量消費の光と影、それを最も知っているのは宇井清太である。
     
ラン界に壮大な夢があった時代の話である。

     宇井清太は、現在、このホームページに膨大な情報を掲載しているのは、前記の小川シンビジュームさんの
     「シンビジューム談義」が、ものすごく当時の私の胸をときめかせたからである。
     ランから「胸のときめき」がなくなったときラン界の発展はない。そう思うからである。
     SUGOI-neは世界の最先端のラン界の情報である。そういう意味で編集、掲載している。
     近い将来、SUGOI-neはラン世界を一新するからである。
     
     池田成功先生が亡くなられたとき、ご遺族の方は、先生のご愛培のランと蔵書は郷里の山形県に寄贈され、
     鉢は上山農高に保存され、その後村山農高に継承されている。
       (村山農高は先生のDNAを継承して、レイブンアツモリ、カキラン等の難発芽性ランの無菌培養に成功した。
        このことはDr 田中のホームページに詳しいく掲載されている。)
     宇井清太もその寄贈式には山形蘭友会の会長中村三郎氏と参列したが、 その記念として、翌年山形博物館で「蘭展」を開催した。
     その時池田先生の英国留学中にザザビーのオークションで入手した秘蔵のボタニカルアートが展示された。
     この蘭展には「蘭友会」の皆さんが見にこられ、以後、何回か植物採集などの交流が行なわれた。
     宇井清太がご案内して 「さくらんぼ摘み」などしたこともある。国際園芸の合田先生、渡辺成功先生のお顔が今でも思い出される。

     宇井清太は今日までCymbidiumのみを追って45年ですが、なぜCymbidiumかというと、宇井清太のラン栽培は「適地適産」の理念です。
     昭和37年当時、日本に暖房機などなかった!!
     それと、Cymbidiumには「腐生ラン」が一種ある。
     つまりランの中でCymbidiumが一番進化しているということ。
     四季の変化。雨期乾期の変化、長日短日の変化への適応を具備していること。

     Cymbidiumを知れば、ほとんど全てのランを理解出来るということ。 
     漢字の「蘭」はCymbidiumであること。孔子にまで歴史があること。
     四季の変化。雨期乾期の変化、長日短日の変化への適応を具備していること。
     それから、日本はモンスーン気候であること。
     それから、Cymbidiumは、素晴らしい品種を生む交配親があること。

     蘭の中で、Cymbidiumが最も遺伝学的に育種の成果が期待できること
       このことが40年後の今も同じ。
     Cymbidiumほどの交配親が確定している蘭はない。
     パフィオには残念ながら・・・Cymbidiumのような「神話」を創るような素晴らしい交配親は未だに見つかってはいない。
     Cymbidiumに始まってCymbidiumに終るのがラン栽培である。
     「美の領域」の問題。
     ランにも天が与えた美の領域の限界がある。
     
     とまれ、ランの世界も世代交代。
     以上のようなことがあって、今回Paph Tsuya  Ikeda ' Oiso’を入手した次第である。
     
Cymbidiumの宇井清太が、パフィオを作る気になったのは、SUGOI-neの開発で、パフィオは無造作に作れることが
     解かってきたからである。
     パフィオもモンスーン気候が育んだランである。Cymbidiumと全く同じ条件で栽培出来る。
     同じ気候、同じ雨の下で進化したランは、ほとんど同じ栽培法で作れる。
     このことを、多くの皆さんに知って頂く意味をこめて、パフィオの門外漢である宇井清太が、SUGOI-neで挑戦する。
     パフィオの皆さんとは、全く別な角度から、先生の由緒ある品種で研究して参ります。

      
      
 
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